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米国オリジンズ （2004年6月23-27日）
<23日−前日>
今年は30周年記念大会ということで、近年落ち込み気味だった参加者も例年よりかなり多いように感じる。
PCの不調により画像データを取り込めないので、まずは文章だけということで。
今年のゲストはSean Astinという映画『ロード・オブ・ザ・リング』に出演していた少年。
ゲーム関係で僕の知っている限りでは、チャールズ・ロバーツ、ドン・グリーンウッド、フランク・チャドウィック、ジム・ダニガン、ジョン・ヒル、マーク・ミラー、レイナー・クニィツィア、ロブ・マーカムといったところ。総勢39名だが、やはり知らない人が多い。
深夜のウォーゲームルームを覗くと、すでにピックゲームのセットアップが多数完了しているではないか！
ディシジョンゲームズ社が発売予定の『エンパイア・オブ・ザ・ミドルエイジス』と『ヴァータム・ライン』のマップも広がっていた。
特に、ジョー・ユーストの手になる『ヴァータム・ライン』のマップは芸術的だった。
ウォーゲームメーカーの出展の大きなニュースとしては、MMP社が出展、クリティカル・ヒット社は自社ブースを出展せず、オメガゲームズのブースを間借りする模様。そんな話は聞いていなかったのだが、というわけで、オメガゲームズ社のブースは4枚の机をオメガ、ペイパーウォーズ、サンセット、クリティカル・ヒットの4社でそれぞれ分けることになる。しかし、24日初日にはクリティカル・ヒット社のスタッフはまだ姿を見せていない。
昨年多難だったGMT社は規模が縮小しているものの無事健在。同ブースにはL2Dのゲームも販売されていた。GMT、L2Dと経営スタッフの頭文字を取った社名ながら、どちらももはやスタッフが喧嘩別れしているところにいけないユーモアを感じる。
大きく躍進しているのは、ディシジョンゲームズ社。 リオ・グランデ・ゲームズ社の商品も取り扱い、開場直後はかつてのGMT社を彷彿させる人だかりができていた。ちなみに、ディシジョン社はレベル4のウィザード・オブ・ザ・コースト社に次ぐレベル3のオリジンズのスポンサーである。このブースにはタイ・ボンバの姿も見えるが、彼は内気なのかいつも決してレイバンのサングラスを外そうとしない。
全体的にTCGの減少傾向が顕著で、フリープレイの『D&D』が目立つ。
ちなみに米国では、『D&D』は3.5にバージョンアップしている。
とはいえ、探し物は全部で94個。特にS&T誌が苦戦。数はたくさんあるのだが、求めている号はいずれもない。
最近結婚したらしいが、こんなところに来ていていいのか？と少し疑問に思う。
<25日−2日目>
今日も人が多い。
朝から立て続けにシックスアングルズ8号が売れていく。
個人的には、どのメーカーもほとんどプライスリストを出していない。気になった物を手にして、それから値段を聞いてくる。
何も言わず買っていく人は皆無。これも文化の違いか。
あと、今日の夕食は行きつけのイタメシ屋マルティーニで分厚いステーキとワインをたらふく食らう。
少し贅沢してしまったが、ストレスは大いに発散できた。
ちなみに、朝食は毎日部屋に備えられているインスタントコーヒーと売店のパンケーキ、昼食は会場内の売店でハンバーガーをブースに持ち帰って食べている。
オークション会場に行って、出品予定のゲーム群を探すが該当する物はなし。
次の手を考えよう。
とりあえず、新製品の3面体には驚き。米粒の形で側面が3面に削れている。昨年の5面体よりはマシみたいだ。
後は5角柱の7面体、ラメの入った新しいカラーのダイスセット、35mmの20面体メタルダイスなどなど。
TITAN GAMESでは、1冊買ったらどれでも3冊プレゼントと書いてあったので、2冊買って8冊持ち帰ってきた。どれもハードカバーで重かった…。しかし、その中にはアヴァランチプレス社の書籍も発見！
帰りにそのアヴァランチのブースに寄ってみると、昨年までブースを占めていたRPG関連書籍は全く姿を消していた。
撤退したのは本当だった。
<26日−3日目>
週末なので、今日もやっぱり人が多い。
昼間は前のメインストリートでパレードが行われていた。独立記念日の何かだろうか。
いいかげんパンと肉には飽きてきたので、1ブロック離れたノースマーケットという市場に昼食を買いに行った。
イメージ的には昔の商店街の西洋版で、普通に肉や野菜が売られていた。ただ、寿司屋があって、東洋人が握っていてビックリした。
中華料理、パスタ等を見つつ、結局カレーをテイクアウトした。米は針のように長細かったし、2種類のルーをかけてくれるのだが、おおざっぱに右と左に落としていくだけで真ん中は混ざっている。やっぱり、アメリカの料理には美しさが感じられない。
とはいえ、久しぶりに味の濃い物を食べたので、非常に満足。
最近の米国のゲーム事情を聞いてみると、TCGの凋落ぶりはどこも同じよう。
RPGは上昇気流で、ウォーゲームは平行線。
最大の勢力はボードゲームらしい。デイブ曰く、「このオリジンズでもハスブローは我々の10倍の面積のブースで出展しているし、『MtG』が落ち込んできているウィザード・オブ・ザ・コースト社は作為的にブームを作っていくはずだ」とのこと。
たしかに、ナルホドと思える話である。
物販ブースが終わってからウォーゲームルームに行くと、ジョー・ユーストが『ヴァータム・ライン II 』のテストプレイをしていた。
で、いろいろと話を聞いてきた。
発売は10月を予定しているらしく、幸運にもプレイテストルールをもらえた。31ページのコピーとチャートが4枚。
これはセカンドバージョンらしく、次のサードが正式なルールになるらしい。
明日はディシジョンのブースに行って、社長のクリスと話をしてこよう。
<27日−最終日>
今日はホールに並ぶ行列が少し短い。
遠方から来た人は、もう今日のうちに帰ってしまうからだ。クリティカル・ヒット社の2人も昨日の夜にそそくさと帰っていったし、ジョー・ユーストも今日帰ると言っていた。たしかに広い米国内では、わかる話である。
とりあえず、突然思いついた『ペイパー・ウォーズ』の版権をGETしてきた。『プラン・サンセット』に記事をピックアップして掲載していこうと考えている。ゲームの評価はできれば日本国内だけでなく、海外の意見も積極的に取り入れるべきだという個人的な方針から。
あとはゲームの買い付け。
空いたスペースを計算して、アウト・オブ・ザ・ボックス社のゲームをたらふく買ってきて詰め込む。
今回も運搬用はスーツケースではなく、ホームセンターで普通に売っている押入収納ケース。ちょうど飛行機に載せられるギリギリのサイズがある。プラスチック製なのでテープを貼って補強している。機内に1人で持っていけるのは32kg×2＋手荷物なので、いつも計算しながら荷物を詰めている。ちなみに、我が家にあるスーツケースは本体だけで約8kg。これだけで『太平洋艦隊』を15冊持っていけるのだから、もったいない話だ。幸い、今回はまだダメージを受けていない。下に付いているコマを4つ共はずしたのがよかったみたいだ。
イベントが終了してから、オメガゲームズ社のビル・ギブスの車で空港へ送ってもらう。
彼はフロリダからやって来ているのだが、オリジンズには空港近くのホテルから毎日レンタカーを借りてやって来ていた。彼とは金銭感覚がやっぱり異なるようだ。車内はレッド・ツェッペリンの曲がかかって、ご機嫌のビル。やはりこの手の音は日本の演歌に共通するものがあるようだ。
話が変わって、コロンバスの街が急速に発展している理由を尋ねてみると、この町はアメリカウエスト航空のハブ（本拠地）空港で、国内の空港としてはかなり大きな規模にあるという。イベントで集客しやすい立地にあり、オフィスにも条件がよいわけで、オハイオ州はどんどん開発を進めている。たしかに、僕が見ただけでも、昨年から高層オフィスビルが3つと新しいホテルが2つが建っていた。
来年も同じ入り口近くブースを我々でシェアすることを約束して別れて、シカゴへ。
<番外編−シカゴにて>
朝から地下鉄に乗ってシカゴのダウンタウンに出かける。
まずはコンパクトフラッシュのカードリーダーを買うためにパソコンショップを探す。地上に出て少し歩くとキンコーズを発見。尋ねるが、ないと言われる。その代わりにパソコンショップを教えてくれる。行ってみると、あるにはあったが大きくかさばるもので、PCカードタイプのソケットはなかった。聞くところ、アメリカではまだPCカード型のソケットは普及していないようで、しかたなく諦める。
シカゴトリビューンやIBMのビルを見た後、シカゴ川を遊覧するボートを見つけたので乗ってみる。川縁のビルの歴史に耳を傾けて、かなり満足。
その後、義弟から頼まれていたナイキのシューズを買い求める。通りがかったホテルで尋ねると、大手デパートを紹介されて、あっさりと任務完了。そのデパートの前から無料のトロリーバスが出ていたので、それに乗ってジョンハンコックビルに向かう。ここは最上階の97階が展望台になっている有名な観光スポット。その景色はそれはもうすばらしく、アメリカという国を改めて実感。
そして今、ホテルに帰って、こうしてキーを叩いている。
明日は帰国の途につく。
